「横浜ゴール裏」削除が投げかけた波紋
横浜F・マリノスのゴール裏応援団体によるXアカウント「横浜ゴール裏」が突如削除された。サポーター界隈に大きな波紋を広げ、クラブとサポーターの関係性、そして応援文化そのものを問い直す事態となっている。
発端は横浜ダービーでの発煙筒騒動
きっかけは7月5日に行われた横浜FCとのダービー戦だった。一部のマリノスサポーターが三ツ沢公園内で発煙筒や花火を使用し、相手サポーターを挑発したとされる。これによりアウェイ入場ゲートの開門が遅れ、スタジアムの空気は緊張に包まれた。
さらに、発煙筒がベビーカーの近くに投げ込まれる様子を収めた動画がXで拡散。批判は瞬く間に広がり、クラブは公式声明で謝罪するとともに、違反行為者への処分方針を明らかにした。
ゴール裏の沈黙と広がる憶測
その後、7月11日までに「横浜ゴール裏」アカウントが削除された。応援スタイルやチャント告知を担っていた中心的存在の消滅は、事実上の沈黙を意味する。一部では団体の解散や体制見直しの可能性も取り沙汰され、サポーターの間には不安と戸惑いが広がっている。
X上では「責任を取る姿勢なのか、それとも逃避なのか」といった議論が飛び交った。「応援文化を守るためにこそ透明性ある発信が必要だったのでは」との批判的な声もある一方で、「あの熱狂を支えてきた人たちが、こんな形で姿を消すのは寂しい」と感傷的な意見も少なくない。
応援文化の転換点として
この一連の騒動は、単なる違反行為の問題にとどまらない。マリノスにおける応援文化の在り方、そしてクラブとサポーターの関係性を改めて考える契機となっている。応援とは何か。ゴール裏の役割とは何か。それぞれが自分なりの答えを探し始めている。
今後、クラブがどのような対応を取るのか。そしてゴール裏団体が再び声を上げるのか。マリノスを愛する者にとって、この沈黙の意味を見極めることが、次の一歩を踏み出すための重要な鍵となるだろう。