はじめに:番組紹介パート
「もりちゃんずコロシアム」第9回のテーマは「“J2沼”はなぜ抜け出せないのか?」。MCの見取り図・盛山晋太郎が“J2は沼すぎる”というJサポあるあるを引き金に、構造的な問題へと踏み込む。
ゲストには、J1〜J3すべてのカテゴリでタイトルを経験した森脇良太(愛媛FC ポジティブエナジャナイザー)。現場のリアルな声と共に、昇格・降格・定着の難しさ、そしてJ2の奥深さに迫っていく。
『もりちゃんずコロシアム 第9回』
J2沼とは何か?の定義・構造説明
番組冒頭で提示された“J2沼”という言葉は、J1から降格したクラブがなかなかJ2から脱出できず、長年J2に在籍してしまう現象を指す。
J1との予算規模の差や、主力の流出、スタジアム基準や集客の壁。こうした構造的な要因がクラブにのしかかり、一度J2に落ちると立て直しが難しくなる。昇格してもすぐ降格、その後は昇格プレーオフすら遠のく…という“連鎖”こそがJ2沼の本質だ。
ジェフユナイテッド千葉やヴァンフォーレ甲府、RB大宮アルディージャなど過去にJ1に長期間在籍していたチームでも昇格できない、まさに魔のリーグとなっている。
実際に今シーズンからJ2に降格した3チームはいずれも自動昇格権にいない現状にある。

森脇良太が語るJ3クラブのリアルと愛媛FCへの逆オファー
サンフレッチェ広島、浦和レッズと強豪チームを渡り歩き、トップカテゴリで戦い続けてきた男が、J3を選んだ理由は「やりがいがあるのは愛媛」というお世話になったチームへの想い。他チームからのオファーもあったが愛媛FCに逆オファーを送り、契約を勝ち取った森脇。
初めて体験するJ3リーグ。J1リーグではありえないような移動手段、給与面、チームからの支給品などの差についても赤裸々に語られていた。最終的には愛媛FCに移籍して良かったという森脇だったが、お金も大事ということに気付かされたという。

水戸ホーリーホック特集 | 本間幸司と謙虚すぎるサポーターたちの声
番組内で特に印象的だったのが、水戸ホーリーホックの特集コーナー。J2の番人と言われ20シーズン以上もJ2に在籍し続けている水戸。だが今年は少し様子が違う。今期はクラブ史上初の8連勝など、リーグを牽引しており、現在まさかの首位。
サポーターたちへ取材を行うと「次こそは次こそは負けるんじゃないか」「1勝の重みのために応援している」「(残留圏のチームが)8連勝してうちが8連敗したら順位が入れ替わる。」などの発言にMC盛山が思わず「めちゃくちゃ謙虚やな!」とツッコミ。
さらにクラブの象徴・本間幸司のコメントも紹介された。
「J1に上がるためじゃない。J3に落ちないためにサッカーをやっていた」
この一言に、地方クラブが背負ってきた現実の重さが詰まっていた。

SNSも反応。「笑ったけど泣けた」「これは現実だ」
視聴者からは、さまざまなリアクションがX(旧Twitter)に投稿された。
「水戸サポの姿勢がマジで尊い」
「“降格して建て直す”なんて簡単に言えない理由がわかる」
「J2の方がサッカーしてる気がするけど、J1にはいないといけないって矛盾…」
「森脇のJ3逆オファー、熱すぎて泣いた」
笑いの中にある“本音”と“現実”が、しっかり届いた放送回だった。

なぜJ2は抜け出せない?その背景にある3つの要因
降格クラブの沼ルート
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クラブの収入が減ることで
経営のために戦力を調整する必要が出てくる -
有望な選手はシーズン途中などを問わずJ1や海外へ流出
戦力を維持して戦うことができず チーム編成に頭を悩ませる -
過酷な移動環境によって
シーズンを通してコンディションを整えることが困難に
さらに「昇格してもJ1基準にいきなり適応できない」ことで、またJ2に戻るケースが多い。
クラブ経営と補強の“綱渡り”が、沼をより深くしている。
それでもJ2は回り続ける──構造的にハマる“沼”のメカニズム
Jリーグを長く見てきたファンにとって、「J2沼」という言葉には皮肉と諦めが込められていた。
だがこの回は、それを“前向きな現実”として捉え直すきっかけになる。
地方クラブには、昇格以外にも大切な価値がある。
地域とともに歩む姿勢、10年単位で見守る文化、そして“トップクラブじゃなくても応援する”という愛。
それをリアルに感じられる30分──しかもDAZN Freemiumで無料。迷ってるなら、今すぐ見てみてほしい。