【J復帰の可能性】元日本代表DF角田涼太朗にマリノスが再オファーを準備か

再び舞い込んだオファー──海外挑戦の現在地

2025年7月13日、横浜F・マリノスが元日本代表DF角田涼太朗(カーディフ・シティ所属)にオファーを送ったと報じられた。クラブOBへの再アプローチは、低迷するチームの守備を立て直す切り札として注目されている。

角田はマリノスでプロデビュー後、2024年1月にイングランドのカーディフへ完全移籍。さらにベルギー1部KVコルトレイクに期限付き移籍し、着実に出場を重ねた。
しかしシーズン途中の負傷で戦線を離脱。2024年夏にカーディフへ戻ったもののトップチームでの出場は得られず、再び厳しい状況に直面した。

その後、2025年1月にコルトレイクへ再レンタルされたが、クラブは降格の憂き目に遭い退団が決定。つまり、欧州での挑戦は一定の経験を積んだ一方で、継続性という点では壁に突き当たった形だ。
一方で、このタイミングで古巣マリノスからのオファーが届いたことは、本人にとってもキャリア再浮上のきっかけとなり得る。


国内回帰がキャリアを変える──成功例に続けるか

Jリーグに戻り、再び存在感を示して代表や海外挑戦に返り咲くケースは少なくない。
例えば植田直通はE-1選手権をきっかけに代表へ復帰。相馬勇紀も名古屋で結果を残し、再び欧州の舞台へ挑戦した。西村拓真もマリノスでの活躍を経て日本代表に名を連ねている。
したがって、角田の復帰も単なる出戻りではなく、新たなキャリアを切り開く再挑戦の場となる可能性が高い。


前橋育英からプロへ──角田涼太朗の歩み

埼玉県出身の角田は、浦和レッズジュニアユースから前橋育英高校へ進学した。ユース昇格の壁を乗り越えて進んだ道は決して平坦ではなかったが、名門校で才能を磨き上げた。
2年時に全国選手権で準優勝、3年時には全国制覇を達成。当時のチームメイトには現マリノスの渡邉泰基もおり、互いに守備の要として名を馳せた。

筑波大学進学後は左利きCBとして存在感を高め、U-20日本代表にも選出。複数クラブが獲得を狙う中、2020年にマリノス入りを決断した。2021年にプロ契約を結び、翌2022年にはリーグ戦18試合に出場。2023年にはA代表にも初招集されるなど、順調にステップアップを遂げた。
つまり、角田はクラブと日本代表の双方で将来を嘱望された存在だったのである。


左利きCBは補強急務──マリノスの再建プラン

2025年のマリノスは開幕から失点がかさみ、ACL出場権争いから後退している。守備の再建はクラブにとって最重要課題だ。
現在の最終ラインは右利きのCBが中心で、左サイドからのビルドアップに不安を残す。守備の安定性にも欠け、試合の主導権を握れない要因となっている。
そのため、左利きのセンターバックはまさに補強ポイントの一つ。クラブの戦術を熟知し、なおかつ即戦力として働ける角田の存在は非常に大きい。

さらに、帰国直後からコンディションを整えられれば、シーズン後半の巻き返しに直結する可能性もある。欧州での経験を持つ角田を迎えることは、戦力だけでなくチームのメンタル面にも好影響を与えるだろう。


渡邉泰基との再共闘に期待

もう一つの注目点は、前橋育英時代から最終ラインを支え合った渡邉泰基との再共闘である。全国制覇をともに成し遂げた2人が、再び横浜の地で肩を並べる光景は、クラブにとっても象徴的な意味を持つ。
さらに、互いの特徴を熟知しているからこそ、連係面でのアドバンテージは大きい。チーム全体の守備組織を引き締める効果も期待できる。

結局のところ、角田涼太朗の復帰は単なる戦力補強では終わらない。過去と現在をつなぎ、守備再建の軸を再び築き上げる一手となるだろう。

タイトルとURLをコピーしました