横浜F・マリノス、ジュビロ磐田からジョルディ・クルークスを完全移籍で獲得【背番号37】

クルークス加入を公式発表──背番号は「37」

2025年8月20日、横浜F・マリノスはジュビロ磐田からMFジョルディ・クルークスを完全移籍で獲得した。背番号は「37」。
まず、今夏の移籍市場でチームの課題となっていたのは攻撃陣の再編だ。ヤン・マテウスが中東へ移籍したことで左サイドに大きな穴が生じていた。したがって、Jリーグ通算162試合出場の実績を持つクルークスの加入は、即戦力補強として大きな意味を持つ。


欧州仕込みの技巧とJリーグでの実績

クルークスは1994年1月15日生まれ、ベルギー・ハッセルト出身。KRCヘンクでプロキャリアを始めた。その後、OHルーヴェンやMVVマーストリヒトを経て、ヴィレムIIやローダJCで経験を重ねた。
そして2021年にアビスパ福岡に加入。さらにセレッソ大阪、ジュビロ磐田でプレーし、日本でのキャリアを築き上げてきた。

今季はJ2で26試合に出場し、3ゴール9アシストを記録。特に左サイドからのカットインと高精度のクロスはジュビロ攻撃の中心を担った。加えて、守備面での献身性もあり、ハードワークを惜しまない姿勢は指揮官やチームメイトから高く評価されている。


戦術的価値──マリノス再構築のキーマン

一方で、マリノスは今夏にアンデルソン・ロペス、エウベル、ヤン・マテウスの3人を同時に放出した。主力の流出は痛手だったが、それだけに補強の成否がシーズン後半を左右する。
その点で、クルークスは再構築の中心を担う存在となる。

彼の代名詞は「45度の角度からの左足ミドル」。通称“クルークスゾーン”から放たれるシュートはGK泣かせであり、福岡時代から多くのファンを魅了してきた。さらに、守備面でも積極的に前線からプレスを仕掛ける。したがって、ハイラインを基盤とするマリノスの戦術に適応できる可能性は高い。

また、彼はサイドアタッカーとしての突破力だけでなく、味方とのコンビネーションでも強みを発揮する。特にインサイドへのカットインからチャンスメイクにつなげるプレーは、今のマリノスに不足していた要素だ。


クルークスのコメント──新たなチャプターへ

「横浜F・マリノスの一員として新たなチャプターをスタートできることを大変うれしく思います。伝統と誇りを持つクラブに加われることを光栄に感じており、ピッチ内外で全力を尽くします。ファン・サポーターと共にすばらしい瞬間を築けることを楽しみにしております」

このコメントからも、彼の覚悟と情熱がはっきりと伝わる。単なる戦力補充ではなく、自らの力でクラブを押し上げるという意志がにじんでいる。


今後への展望──後半戦の浮上を左右する一手

もちろん、シーズン途中の加入で即座にフィットするかは未知数だ。しかし、Jリーグでの豊富な経験と実績を考えれば、適応には時間を要さないはずだ。
さらに、マリノスはACL、リーグ、天皇杯と複数タイトルを狙う状況にある。だからこそ、クルークスが持つ突破力と左足の一撃は、勝敗を分ける決定的な武器になる可能性が高い。

加入は単なる穴埋めではない。むしろ、チームが再び上昇気流に乗るための転換点となるだろう。


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