第104回全国高校サッカー選手権を動かす7つの才能
第104回全国高校サッカー選手権。冬の頂点を争う舞台には、すでにJクラブ入りが内定した逸材や年代別代表歴を持つタレントが顔を揃える。
今年は守備、中盤、前線の各ラインに明確なスター候補がそろい、例年以上にタレントの密度が高い大会となった。守備のタフネス、ゲームメイクの創造性、ゴール前の決定力──そのすべてを体現する7選手の実力と特徴を整理する。
最終ラインの要:守備のタフネス
久保 遥夢(前橋育英)
久保遥夢(前橋育英・DF)は183cmのセンターバック。第103回大会では全試合に先発し、前橋育英の優勝に大きく貢献した。
群馬県出身で全日本U-18代表歴を持ち、2026年には名古屋グランパス加入が内定。対人守備の粘り強さと空中戦の強さを武器に、今大会でも最終ラインの中心を担う存在だ。
村上 慶(大津)
村上慶(大津・DF)は182cmの攻撃的サイドバック。福岡県出身でU-17日本代表として国際大会にも出場した経験を持つ。
大津では左サイドからの推進力と運動量で攻守を支え、昨季はプレミアWEST優勝の原動力となった。2026年から横浜F・マリノスへ加入が内定しており、守備と攻撃の双方で強度と幅をもたらす選手だ。
松岡 敏也(興國)
松岡敏也(興國・DF)は福岡県出身の俊足サイドバック。判断力とビルドアップ能力に優れ、積極的に前線へ関わるスタイルが特徴。
空中戦にも強く、精度の高いクロスで攻撃の厚みを生む。アルビレックス新潟への加入が内定しており、サイドの攻防で存在感を示す逸材だ。
中盤の支配者:技術とインテリジェンス
山口 豪太(昌平)
山口豪太(昌平・MF)は171cmの左利きトップ下。巧みなドリブル、広い視野、精度の高いパスを武器に攻撃を操る司令塔だ。
2年時から昌平の背番号10を任され、全国高校総体では5アシストで優勝に貢献。U-17日本代表経験を持ち、2026年から湘南ベルマーレへ加入が内定している。創造性と構築力を兼ね備えたプレーメイカーだ
福島 和毅(神村学園)
福島和毅(神村学園・MF)は162cmと小柄だが、抜群のボールタッチとパスセンスで試合を支配するタイプのゲームメーカー。
2025年インターハイで神村学園を優勝に導き、自身は大会MVPに選出された。U-18日本代表にも名を連ね、2026年からはアビスパ福岡加入が内定。テンポとアイデアを生み出す中盤のアクセントだ。
増田 大空(流通経済大柏)
増田大空(流通経済大柏・DF)は攻守にわたって高精度のロングキックを武器とする左サイドバック。
茨城県出身でU-17日本代表歴を持ち、今年の高校総体では優秀選手に選出された。2026年からジュビロ磐田に加入内定。左足のフィードとクロスで攻撃の起点となり、守備でも安定感を見せる。
ゴールを奪うストライカー
伊藤 湊太(京都橘)
伊藤湊太(京都橘・FW)は186cmの大型ストライカー。空中戦の強さに加え、ドリブルや足元の技術にも優れ、京都橘の絶対的エースとして君臨する。
U-18日本代表経験を持ち、2026年からヴィッセル神戸への加入が内定。ポストプレーからフィニッシュまで幅広くこなす万能型で、今大会屈指の決定力を誇る選手だ。
7つの才能がもたらす選手権の新しい景色
今回取り上げた7選手はいずれも年代別代表を経験しており、そのままJリーグで即戦力候補となり得るレベルの逸材ばかりだ。
久保や村上のようなタフな最終ラインは試合の安定を生み、松岡・増田の両サイドは展開力と推進力で攻撃の幅を広げる。山口・福島が中盤で主導権を握り、伊藤はゴール前で違いを生み出すストライカーとして存在感を示す。
個性豊かな才能が各高校の完成度を押し上げ、今大会は例年以上に熱量とドラマに満ちた戦いになるだろう。


コメント