2026年ワールドカップの組み合わせが決まり、早くも世界中で“死の組”議論が巻き起こっている。主要データ会社Optaは全12グループの平均評価値を算出し、どの組が最も厳しいのかを数値で可視化した。
その中で、日本代表が入ったグループFは上位3番目の強度と判定され、決して楽な道のりではない。では、いったいどのグループが最も強く、日本の立ち位置はどこにあるのか。Optaのデータをもとに徹底的に整理する。
Optaパワーランキングとは何か
① Optaパワーランキングとは何か(概要)
Optaパワーランキングは、世界最大級のデータ会社Optaが提供する代表チームの総合評価指標で、最新の試合成績や対戦相手の強度、得点・失点、過去のパフォーマンスなど複数の要素から算出される数値のことだ。
公式サイト:https://theanalyst.com/
このランキングは、各国代表を0〜100のスコアで評価し、現時点での「実力値」を可視化する仕組みとなっている。
今回の分析では、このOptaパワーランキングをもとに2026年ワールドカップ全12グループ(A〜L)の平均評価値が算出され、どの組が最も強いのかが数値で明確に示された。
2026年ワールドカップ全48チームの組分け
2026年大会は史上初の48カ国出場。以下が 公式の全グループ分け(A〜L)。
| グループ | チーム1 | チーム2 | チーム3 | チーム4 |
|---|---|---|---|---|
| A | メキシコ | 南アフリカ | 韓国 | 欧州PO D |
| B | カナダ | 欧州PO A | カタール | スイス |
| C | ブラジル | モロッコ | ハイチ | スコットランド |
| D | アメリカ | パラグアイ | オーストラリア | 欧州PO C |
| E | ドイツ | キュラソー | コートジボワール | エクアドル |
| F | オランダ | 日本 | 欧州PO B | チュニジア |
| G | ベルギー | エジプト | イラン | ニュージーランド |
| H | スペイン | カーボベルデ | サウジアラビア | ウルグアイ |
| I | フランス | セネガル | 大陸PO | ノルウェー |
| J | アルゼンチン | アルジェリア | オーストリア | ヨルダン |
| K | ポルトガル | 大陸PO1 | ガレス | コロンビア |
| L | イングランド | クロアチア | ガーナ | パナマ |
※「欧州プレーオフ/大陸プレーオフ」は今後決定。
Opta発表:各グループの平均スコア
| 順位 | グループ | 平均評価値 |
|---|---|---|
| 1位 | J | 77.1 |
| 2位 | I | 76.7 |
| 3位 | F | 76.6 |
| 4位 | H | 76.04 |
| 5位 | L | 75.9 |
| 6位 | K | 75.3 |
| 7位 | C | 74.0 |
| 8位 | D | 73.2 |
| 9位 | G | 72.1 |
| 10位 | A | 71.3 |
| 11位 | E | 70.7 |
| 12位 | B | 69.9 |
グループJ(平均77.1)
アルゼンチン(92.5)を中心に、オーストリア(75.3)とアルジェリア(72.2)も評価値が高く、全チームが一定以上の競争力を持つ最難関グループ。特にアルゼンチンは攻撃と守備の両面で安定しており、試合の主導権を長く握り続けられる力がある。オーストリアは組織力、アルジェリアは個の突破力が強みで、対戦相手のスタイルが異なるため攻略難度も高い。ヨルダン(61.0)は評価こそ低いが、中東勢らしい粘り強さと守備ブロックからの速攻で試合展開を壊す可能性を秘めている。全体的に試合強度が高く、どのカードも簡単には動かず、失点がそのまま試合を左右する構造になっている。
グループI(76.7)
フランス(96.8)、ノルウェー(77.6)、セネガル(76.1)の三強が揃った密度の濃い強豪グループ。フランスはタレントの層が厚く、個で局面を打開できる選手が複数いるため、どの相手にも主導権を握りやすい。ノルウェーは高さとフィジカルが特徴で、セットプレーが武器。セネガルは身体能力と守備強度が高く、攻守の切り替えも速い。平均値がJ組より少し低いのは四つ目の大陸プレーオフ枠の評価が低めだからだが、上位三チームだけを取り出せば大会最強クラスの構成と言える。全体として運動量が多く、ハイテンポの攻防が続くタフなグループになる。
グループF(76.6)
オランダ(88.7)、日本(81.2)、チュニジア(68.3)、欧州プレーオフB(66〜78)の構成で、日本にとっては厳しくも十分戦えるグループ。オランダは個の能力が高く、試合の主導権を握るスタイルを得意とするが、日本もプレッシング強度と攻撃テンポで十分に渡り合える。チュニジアは守備ブロックの形成がうまく、カウンターの鋭さもあるため、日本との相性は決して良くない。プレーオフ枠のチームがどこになるかで難易度は大きく変わるが、総じて油断できる相手は一つもなく、全試合が接戦の様相を呈する。
グループH(76.04)
スペイン(90前後)、ウルグアイ(82前後)、サウジアラビア(71.1)、カーボベルデ(60台後半)という構成で、四チームの距離が非常に近いのが特徴。スペインはポゼッション能力で抜けているが、ウルグアイは攻撃の個が強く、試合を決め切る力を持つ。サウジアラビアは2022年大会でアルゼンチンを撃破したように、強豪相手でも粘り強さと切り替えの速さで戦える。カーボベルデは欧州でプレーする選手が増えており、新興国ながら実力を伸ばしている。全カードが拮抗するため、順当な結果にならない可能性が高い。
グループL(75.9)
イングランド(90.4)とクロアチア(86.8)がグループを牽引する二強構造。イングランドは攻撃のタレント層が厚く、クロアチアは経験と試合運びの巧さで安定している。ガーナ(70.3)は個の能力が高く勢いに乗ると侮れないが、パナマ(61.2)が評価値を押し下げているため全体としては上位二チームが抜けた構造となっている。ただしガーナの出来次第で、上位の勢力図が揺れる可能性も残されている。
グループK(75.3)
ポルトガル(90.1)、コロンビア(80台)、ガレス(62.8)、大陸プレーオフ枠(60〜75)という構成で、トップと下位の評価差が大きい凸凹のあるグループ。ポルトガルは攻撃力が高く、コロンビアは技術とフィジカルのバランスに優れる。下位2枠の評価が安定しないため、プレーオフの結果によっては死の組に化ける可能性もある。
グループC(74.0)
ブラジル(90.5)とモロッコ(82.3)が抜けており、スコットランド(70.6)とハイチ(55台)とは明確に差がある二強構造のグループ。ブラジルは個の突破力、モロッコは組織的守備が強みで、安定した戦いが可能。スコットランドは守備の粘りとセットプレー、ハイチはスピードで勝負するタイプだが、全体として大きな力の差があるため、番狂わせは起こりにくい。
グループD(73.2)
アメリカ(73.1)、パラグアイ(75.4)、オーストラリア(75.6)の三チームが拮抗し、非常に読みづらい三つ巴構造。いずれも守備が安定し、球際で強いチームが揃っているため、どの試合も消耗戦になる傾向が強い。これに欧州プレーオフC(候補はデンマーク78.9、チェコ70.0、アイルランド65.9、北マケドニア59.0など)が加わると、グループ全体の難度が一段階アップする。
グループG(72.1)
ベルギー(83.3)、イラン(76.4)、エジプト(67.7)、ニュージーランド(60.9)。ベルギーは全盛期より勢いは落ちたが依然強豪で、イランは守備組織が極めて強固。エジプトはサラーに代表される個の力が脅威で、ニュージーランドも身体能力で対抗する。全体としてバランス型の組だが、スロースターターが下位に取りこぼす可能性がある。
グループA(71.3)
メキシコ(77.2)、韓国(74.6)、南アフリカ(64.8)、欧州プレーオフD(候補:デンマーク78.9、チェコ70.0、アイルランド65.9、北マケドニア59.0)。突出した強豪がいないため、最も混戦になりやすいグループ。メキシコと韓国がやや抜けるが、プレーオフ枠によって序列が大きく変わる可能性がある。
グループE(70.7)
ドイツ(80台後半)、エクアドル(75前後)、コートジボワール(45台)、キュラソー(45.7)。完全な二強構造で、上位チームと下位チームの差が極端。比較的順当な結果になりやすいグループ。
グループB(69.9)
スイス(81.9)、カナダ(71.7)、カタール(59.2)、欧州プレーオフA(ウェールズ、北アイルランド、ボスニアなど)。唯一“弱いグループ”として分類された組。スイス以外は評価が控えめで、全体として大きな力の差はない。プレーオフ枠によっては混戦になる可能性が高く、読みづらい組といえる。
日本のグループFは難しいが、突破は現実的に狙える
Optaの分析では、グループFは 全体12組の中で3番目に難しい“強度の高い組” と位置づけられた。
オランダ(世界屈指の強豪)、日本、チュニジア、そして欧州プレーオフ勝者が入り、どの試合も簡単ではない。しかし、日本にとって希望は大きい。グループFで FIFAランキングが日本より上なのはオランダだけ。
つまり数字上は“2番手”に位置し、突破の確率は十分高い。あとは初戦の入り方と、下位チームからの取りこぼしを避ける安定感が鍵になる。


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