試合後インタビュー:小林慶行監督が語るプレーオフ決勝とJ1昇格
ジェフユナイテッド千葉が、プレーオフ決勝を制し、J1昇格を決めた。長年、越えられなかったプレーオフの壁を、ついに自分たちの力で乗り越えた瞬間だった。
今季のジェフは、シーズン序盤から安定した戦いを続けながらも、最後まで昇格を懸けた厳しい戦いを強いられた。その集大成となったプレーオフで、チームは粘り強さと勝負強さを示し、結果を掴み取った。
試合後に行われた小林慶行監督のインタビューでは、激闘を終えた直後の率直な感情とともに、キャンプから積み上げてきた取り組み、そしてクラブを支え続けたサポーターやスポンサーへの思いが語られている。
以下は、その言葉をそのまま伝えるインタビュー全文である。
小林慶行監督インタビュー全文|ジェフ千葉J1昇格を決めた試合後の言葉
――試合終了直後の率直な気持ちは。
小林慶行監督
「めちゃくちゃ嬉しいですし、正直めちゃくちゃ疲れました」
――難しい試合だったと思います。特にベンチから見て感じていたことは。
「後半は徳島が明らかにパワーをかけてきました。バーに当たるシュートもありましたし、あそこでゴールが入っていれば、さらに難しい試合になっていたと思います。ただ、ハーフタイムで“相手は必ず出てくる”ということは選手たちと共有していました。
その中で、いかに自分たちがボールを持つ時間を長くできるか、時間の使い方をどうするかという点は、もっとできた部分もあったと思います。想定より少し押し込まれましたが、粘り強く守るという点は、今シーズン、キャンプからずっとトライしてきたところです。1年目、2年目を経て、取り組んできたことが最後に身を結んだのかなと感じています」
――プレーオフの壁をついに越えました。サポーターへのメッセージをお願いします。
「準決勝、決勝と本当にたくさんの方に来ていただきました。今、スタジアムを見回してもらえれば分かると思いますが、黄色に染まった最高の光景です。
クラブとしては、コロナ禍など本当に難しい時間がありました。無観客や人数制限の中、3000人ほどのサポーターが来てくれて、支えてくれたことを本当に感謝しています。
また、会社としても厳しい状況だった中で、ジェフを支え続けてくれたスポンサーの皆さんにも心から感謝しています。
この3年で、新しくスタジアムに足を運んでくれる方が増えました。理由は何でもいいんです。『今のジェフのサッカーが面白いから』と言ってもらえるのが一番嬉しいですが、選手がかっこいい、チームの雰囲気がいい、そうした理由でも構いません。その皆さんのおかげで、今日という日を迎えることができました。
この3年で集まってくれたサポーターの皆さんは普通に考えればこの3年間、2回に1回は勝ち試合を見ているんですよねおそらく。来年はJ1に行くんですよね?そんな簡単じゃないですよね?おそらく難しい時間も必ずあると思います。
でも、そんな時に本当にクラブをそのまま愛してもらえるか。やっぱりそういうところだと思うんですよ。
ジェフを愛する皆さんをもっと増やしたいですし、サポートしていただけるスポンサーの皆さんも増やしたいですし、そうじゃないとJ1で絶対戦っていけないと思います。
自分たちの目標を今後どうするのかというところを、しっかりと皆さんと共有して、来年以降それに向かって積み上げていく。それがクラブにとってめちゃくちゃ大事なんだと思います。
だからこそ、今はもう最高に嬉しいですし、皆さんと喜びを分かち合いたいですし、でも多分、次のステージに行ったら、また大変なことが待っていて、その中でも、皆さんと共に、ずっとこういうスタジアムで戦い続けることができたら、やっぱり幸せだなと思います。
みんなでそれを作っていきましょう。
インタビューを終えて|小林慶行監督の言葉が示す、ジェフ千葉のこれから
勝利の喜びと同時に語られたのは、決して浮かれた言葉ではなかった。
苦しい時間が必ず訪れるJ1で戦うために、クラブとして何が必要なのか。サポーターとどんな関係を築いていくべきなのか。小林慶行監督の言葉は、すでに「次のステージ」を見据えていた。
J1昇格はゴールではない。
むしろ、ここからが本当のスタートだ。
黄色に染まったスタジアムで共有されたこの想いが、来季以降もジェフを支える土台となる。クラブとサポーターが共に積み上げてきた3年間の延長線上に、J1での新たな物語が始まろうとしている。


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