井上太聖の横浜F・マリノス完全移籍が公式発表
横浜F・マリノスは、サガン鳥栖に所属していたDF井上太聖の完全移籍加入を公式に発表した。クラブ公式サイトでは、本人コメントとあわせて加入が告知されている。
井上は2002年10月1日生まれ。身長183cmのDFで、センターバックとサイドバックの両方を務めてきた。
鳥栖では2024年に特別指定選手としてチームに帯同した。同年、J1リーグで公式戦デビューを記録、翌2025年からは正式加入となった。
その2025年シーズン、井上はJ2リーグ38試合すべてに先発出場した。シーズンを通して欠場はなく、出場時間もチーム最上位だった。
なお、横浜F・マリノス加入に際し、井上は「自分の特徴を最大限に発揮し、チームの勝利に貢献したい」とコメントしている。
J2全試合先発で示した稼働力と守備対応力
最大のポイントは、2025年シーズンの稼働実績だ。
J2リーグ38試合すべてに先発。この数字は、単なる出場機会の多さを示すものではない。コンディション管理と信頼の積み重ねを意味する。
さらに、鳥栖での起用法も重要だ。井上は主に最終ラインの一角としてプレーした。対人守備と背後のカバーを担う役割が多かった。
一方で、無理な持ち上がりや過剰な縦パスは少ない。リスクを抑え、役割を優先する判断が目立つ。ディフェンダーとしての基礎を徹底した一年だった。
加えて、SB経験がある点も見逃せない。タッチライン際の対応や、外側へのスライド守備に慣れている。
この柔軟性は、複数システムを併用するチームで生きる。結果として、井上は「派手さはないが計算できるDF」という評価を確立した。
横浜F・マリノスが完全移籍で獲得に踏み切った背景には、この安定した稼働力と守備対応力があるのではないか。
3バック失敗の反省と井上太聖の配置価値
2025年元イングランド代表HCスティーブ・ホーランド体制でマリノスは3バックを導入したが、うまく機能せず、安定運用には至らなかった。
原因は、形そのものではない。配置と役割整理が不十分だった点が大きい。可変を前提にしながらの、守備時の基準が曖昧だった。
その結果、誰が外を消すのか、誰が中央を締めるのかこの判断が遅れる場面が増えた。来季を見据えると、編成の方向性は整理されつつある。
左CBに角田、渡邉。中央にジェイソン・キニョーネス、諏訪間。そして右CB候補として井上とデン。
この中で、井上の役割は明確だ。右CBでのカバーリングと外対応。スピードを生かした守備範囲が期待される。
また、SB経験があるため、4バックへの可変時も違和感が少ない。ここは2025年との大きな違いと言える。
つまり、井上太聖の加入は「3バック再挑戦」そのものではない。「配置ありきで成立させるための補強」だ。2026年、3バックが選択肢として機能するか。その可否を測る存在が、井上太聖になるのではないだろうか。
井上太聖は守備再設計の分岐点となる
井上太聖の加入は、単なる若手DF補強ではない。横浜F・マリノスの守備再設計を象徴する補強だ。J2全試合先発という稼働実績。右CBで役割を限定できる特性。そして、可変システムへの適応力。
これらが噛み合えば、2025年に機能しなかった3バックは再評価される。一方で、役割整理が不十分なら同じ課題を繰り返す。だからこそ、井上の起用法は重要になる。
2026年シーズン。井上太聖は、横浜F・マリノスの守備が進化するかどうかを示す試金石となる存在だ。


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