最後のJ1枠を懸けた戦い、その全体像を整理する
2025年の明治安田J2リーグは、最後の最後まで順位が入れ替わる大混戦となった。その激戦を勝ち抜き、J1昇格プレーオフへ進む4クラブがついに決定した。
本記事では
・プレーオフのレギュレーション
・試合会場と日程
・各カードの戦術分析
・注目選手紹介
をまとめて解説する。
「どこが勝ってもおかしくない」と言われるほど拮抗した今年のJ2。最後のJ1切符をつかむのは、果たしてどのクラブか。
J1昇格プレーオフとは?
| 出場条件 | J2リーグの 3位〜6位 の4クラブが出場 |
|---|---|
| 準決勝 |
「3位 vs 6位」「4位 vs 5位」 いずれも上位クラブのホーム開催 |
| 決勝 | リーグ戦順位が上のクラブのホームで開催 |
| 勝敗ルール |
・全試合90分1本勝負 ・延長戦・PK戦なし ・引き分け時はリーグ戦上位クラブが勝ち上がり |
| J1との入れ替え戦 |
・実施されない ・プレーオフ優勝クラブがそのままJ1昇格 (上位2クラブは自動昇格) |
準決勝①:千葉ユナイテッド vs 大宮アルディージャ
開催情報
- 日時:12月7日(日)
- 会場:フクダ電子アリーナ(千葉のホーム)
今季直接対決
5月6日(第14節)@フクアリ:千葉 1-2 大宮
8月9日(第25節)@NACK5:大宮 0-1 千葉
千葉
■ 戦術・フォーメーション
基本は 4-2-3-1。両サイドの突破力と中盤の推進力を活かした攻撃スタイル。
守備時は4-4-2でブロックを形成することもある。
■ 注目選手(最終節出場)
エドゥアルド(FW)
決定力が高く、今季二桁得点に迫る活躍。最終節でもゴールを挙げ、好調をキープ。
■ 強み
パスワークと豊富な攻撃オプション。
ホームアドバンテージも大きい。
■ 懸念
ビルドアップ時のミスからのカウンター対応に課題。
大宮
■ 戦術・フォーメーション
採用システムは 3-4-2-1。中盤を厚く使い、ショートカウンターや縦への速い展開で得点を狙う。
■ 注目選手(最終節出場)
カプリーニ(FW)
突破力と決定力を兼ね備えたストライカー。最終節でも値千金のゴールで勝利に貢献。
■ 強み
切り替えの速さと粘り強い守備。
カプリーニの決定力も武器。
■ 懸念
得点が単発になりやすく、得点源の偏りが不安。
準決勝②:徳島ヴォルティス vs ジュビロ磐田
開催情報
- 日時:12月7日(日)
- 会場:ポカリスエットスタジアム(徳島のホーム)
今季直接対決
5月25日(第17節)@鳴門:徳島 1-1 磐田
10月18日(第33節)@ヤマハ:磐田 0-4 徳島
徳島
■ 戦術・フォーメーション
3-4-2-1で中央とサイドをバランス良く使うポゼッション志向。
堅守速攻が特徴。
■ 注目選手(最終節出場)
渡 大生(MF)
パスセンスと得点力を備えた攻守の軸。今季も安定して貢献。
■ 強み
守備組織と中盤の構成力。
前回磐田を4-0で破った実績も武器。
■ 懸念
攻撃のバリエーションが限られ、守備に寄ると得点力が不足しがち。
磐田
■ 戦術・フォーメーション
基本は 4-4-2。中盤支配とクロス中心の攻撃。
ロングボールの展開も選択肢に。
■ 注目選手(最終節出場)
リカルド・グラッサ(DF)
セットプレーからの得点力があり、守備の要でもある。最終節でも得点を記録。
■ 強み
高さと得点力。
試合終盤の粘り強さにも注目。
■ 懸念
守備の脆さと、失点時の立て直しの遅さが課題。
J1昇格プレーオフ、最後の1枠をつかむのはどこだ?
今年の昇格プレーオフは、例年以上に実力が拮抗している。戦術、選手の状態、そしてわずかな隙も許されないレギュレーションを踏まえれば、“1点の重みが極めて大きい戦い”になることは間違いない。
初戦は 千葉 vs 大宮、徳島 vs 磐田。
最終節で今治に5-0の圧勝を見せ勢いそのままに挑む千葉、シーズン終盤に大ブレーキを踏んだ大宮。
上位陣に真っ向勝負を挑み続けた徳島、そして劇的な大逆転で滑り込んだ磐田が立ちはだかる。
熾烈を極めた昇格レースは、最終節までもつれ込んだ。そして、ここからはたった2試合で全てが決まる。最後のJ1昇格枠をつかむのは、どのクラブなのか。
伝説級のドラマが、またひとつ生まれようとしている。

コメント