
カーディフ退団でJリーグ復帰か
J1残留争いの渦中にある横浜F・マリノスが、元日本代表DF角田涼太朗の再獲得に動いている。関係者によれば、カーディフ・シティとの契約が満了した同選手について、マリノスがすでに獲得の最終段階に入っているという。
角田は2024年1月に横浜FMからカーディフへ完全移籍。その後、ベルギー1部のKVコルトレイクへ期限付きで2度にわたって移籍し、計15試合に出場した。しかし2024年3月に大腿四頭筋を痛めて長期離脱。2025年1月に再びコルトレイクへレンタルされたが、チームは2024-25シーズン終了後に2部へ降格。これに伴い、契約満了で6月に退団していた。
samurai warriorの報道によれば、所属元のカーディフ・シティも彼の構想外を正式に発表し、放出を承認済み。すでに複数のJクラブが接触しているが、角田自身が「再起の場」として選んだのは古巣・横浜F・マリノスになりそうだ。
守備陣の危機と“ツノ”の復帰
横浜FMでは、2025年6月の特別移籍期間にDF永戸勝也がヴィッセル神戸へ完全移籍。さらに7月12日の練習中に渡邉泰基が左膝外側半月板を損傷し、全治6か月と診断されている。復帰したばかりだった渡邉の離脱はあまりに大きく、補強は急務となっていた。
そこに白羽の矢が立ったのが、2020〜23年に横浜FMに在籍した角田だった。サマーブレイク期間にはみなとみらいでの休暇を楽しむ姿が本人SNSにて発信されており、7月中のクラブ合流が濃厚とみられている。

欧州挑戦の挫折と再スタート
角田にとっては、約1年半ぶりのJリーグ復帰となる。カーディフでの出場は叶わず、コルトレイクでも負傷の影響から本来の実力を発揮しきれなかった。ただ、今季後半には再びスタメンに定着し、出場6試合すべてで先発フル出場。地力の高さは証明している。
また、英メディアによれば、カーディフとの契約時の年俸は33.8万ユーロ(約5400万円)とされ、選手価値は依然として高水準。現在の市場価値は約50万ユーロ(Transfermarkt)と評価されている。

マリノスにとっての補強の意味
再獲得が実現すれば、角田は渡邉泰基と並ぶ左利きのセンターバック候補となる。ケビン・マスカット監督時代には左右のサイドバックでも起用されており、最終ラインでのマルチロールが可能だ。特に横浜FMが伝統的に重視するビルドアップスタイルとの親和性は高く、2023年に主力として活躍した経験も心強い。
さらに、3バックシステムにも対応できる点は、試合終盤に布陣を柔軟に使い分ける大島監督の戦術方針とも合致する。かつての主力を再び迎え入れることは、守備再建に向けた明確なメッセージであり、クラブの巻き返しに向けた象徴的な補強となるだろう。

角田涼太朗|基本情報(2025年7月時点)
所属:KVコルトレイク(ベルギー)/カーディフ・シティ(イングランド)
生年月日:1999年6月27日(26歳)
身長/体重:185cm/76kg
ポジション:CB(左利き)
代表歴:U-23日本代表、元日本代表
推定市場価値:50万ユーロ(2025年6月時点/Transfermarkt)
